会社の登記簿謄本は、いわば会社の顔です。個人でいう名刺ですね。登記事項に変更があるにもかかわらず、そのままになっている…会社の実体があいまいでは、取引先への信用問題にかかわります。また、登記事項に変更が生じた場合、原則、変更が生じてから2週間以内に登記を申請して、実体を登記簿に反映させなければなりません。(違反すると100万円以下の過料に処せられます)2週間というのは、かなり短いですので、株主総会や取締役会決議などの準備を行うと同時に登記申請の準備もしたほうがよいでしょう。

また、長年、会社を経営していると運営上の便宜、改善をはかるため定期的に定款を見直すという作業を行いますが、定款変更イコール登記申請ということでもありません。なぜなら、定款の記載内容と登記の記載内容は必ずしも一致しないからです。逆もしかりです。登記事項の変更イコール定款変更でもありません。確かにイコールの場合が多いのは事実ですが。新たな会社法が施行されて3年ほど経ちましたが、当時は、株式会社、有限会社(現行法上は、特例有限会社といいますが)をはじめとする多くの会社が定款の見直し作業を行いましたが、その後の状況はいかがでしょうか?改善したいところ、疑問に思うところなどございましたら、おきかせください。

 

□■会社の変更登記が必要な場合■□

商号変更、本店移転、目的変更(追加、削除、変更)、発行可能株式総数の変更、株券発行会社の株券を不発行にした、増資、減資、役員変更、取締役会、監査役などの機関設置・廃止、株式の譲渡制限規定の設置・変更・廃止など

(上記は登記申請が必要な場合をすべて網羅しているわけではありませんので、ご了承ください)

平成18年5月、新会社法が施行されました。『商法』から『会社法』へ、法律の名前が変わっただけではなく、様々な改正がありました。これに伴い『商業登記法』も改正され、登記申請を行う上で次のような変更がありました。

 

①類似商号の禁止制度が撤廃。

原則、会社の商号と本店所在地が両方同一でなければ、今ある会社と同一類似の商号も可能です。しかし、不正な目的より他の会社と誤認させるような商号を使用するはできません。また、会社の目的についても登記申請時に法務局からチェックが入ることはなくなりました。だからといって、何でもOKということではありません。これまでと同様、公序良俗に反するもの記載内容が不明確なものは当然認められません。官公庁の届出時や、取引上において、不都合が生じることがないように十分注意することが必要です。商号、目的については、登記手続き上は緩やかに解釈することができますが、社会においての会社の役割を考えれば、従来通り慎重に対処すべきでしょう。

 

②『株式払込金保管証明書』に代わる新たな証明書の存在によって設立登記申請がより簡単に!(金銭出資の場合)

会社設立登記を申請時、資本金の存在を証明する必要があります。従来は、銀行等が発行する『株式払込金保管証明書』が必要でした。発行には、手数料と時間がかかり、登記申請を行う上でクリアしなければならない大きなポイントでした。これが、起人が出資した履歴がある銀行等の預金通帳の写しを添付することでOKとなったのです。費用もかからず、時間もかかりません。是非、活用してください。

 

③資本金1円の会社?資本金の額について制約がなくなりました!

従来であれば、株式会社1000万・有限会社300万(最低資本金)、記憶の新しいところではないでしょうか?在は、出資額1円から会社がつくれます。ですが、資本金は、登記簿に記載されます。そのことが与える印象を意識して資本金の額を決定すべきでしょう。

 

④有限会社がなくなる?設立できる会社の種類が変わりました!

従来は、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社の4つでしたが、現在は、有限会社がなくなり、新たに合同会社が加わりました。新たに有限会社が設立できないだけであって、現在の有限会社は、会社法上の株式会社として存続し、商号も有限会社のままです。有限会社特有のルールもそのまま維持されます。新たな会社の類型、合同会社についてはこちらを参考にしてください。

 

⑤株式会社でも取締役1人の会社がOKに!(監査役も不要です)

従来であれば、株式会社の取締役は3名以上必要でした。現在は、役員が取締役1名でもOKです(注)

(注)委員会設置会社、取締役会設置会社を除きます。

 

⑥取締役の任期が最長10年に!

従来は2年というのが原則でした。現在は、公開会社でない会社(※)の取締役(監査役も同様)であれば、最長10年の任期もOKです。

(※)公開会社でない会社…株式に譲渡制限を設けている会社です。

 

⑦共同代表の定めの登記が廃止!

従来は、共同代表の定めにより複数の代表取締役が共同で行っていたことが、各代表取締役が単独で代表権を行使することができるようになります。登記簿上の共同代表の定めの登記は職権で抹消されます。

 

⑧支店所在地で登記される登記事項の項目はたった4つ!

支店所在地に登記されている支配人の登記は本店所在地の登記簿に職権で移されます。支店の登記事項は次の4つのみになります。支店の登記簿特有の登記事項がなくなったといえます。

  • 商号
  • 本店所在場所
  • 支店の所在場所
  • 会社設立の年月日

 

このように、会社法施行により、定款自治の範囲を拡大し、ルールの多様化、柔軟化を図ることにより、会社を運営する側にとって、会社がより良いものになるべく改正が行われています。この機会に会社組織、定款等の見直しを行いましょう。

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